苦しい恋の羽の下

銀色夏生さんが好きだった。

最初に買った君のそばで会おうの詩集。

その中にある苦しい恋の羽の下の詩。

今の私。

どんどん世界が狭くなり

彼のことしか考えられない。

彼さえ幸せだったら。

彼さえ、私に微笑んでくれたら。

 

誰かのところに行かないで。

ここにいて。

逢いたい。

勇気を出した

何気ないメールを出してみる。

すぐに返事がきて驚く。

やりとりのすべてが愛おしい。

 

大事な人って?

特別って?

全て知りたいって?

 

あなたも愛してくれてる?

まさかね。

期待すると苦しいから、

期待したくない。

でも、信じたい。

今だけ。

 

一日メールが来ないだけで。

絶望的な気持ちになってしまう。

高校生か?というわたし。

駆け引きできるほど、

大人になりきれていないただの中年。

 

あ〜どうして恋なんてしてしまったのだろう。

すべてが彼へと向かってしまう。

 

会いたい。

愛してる。

声が聴きたい。

 

そのどれもが許されない。

口にすることすら。